芥川賞にまつわる、追記

ラジオ日本「ラジカントロプス2.0」で書評家の大森望さんと豊崎由美さんが
文学賞メッタ斬り!」と題し、第146回芥川賞直木賞を予想し、翌週には
ご丁寧にも結果発表までしている分のポッドキャストを聴きました。
ちなみに進行役は放送作家植竹公和さん。

 Link:「ラジカントロプス2.0」ポッドキャスト ラジカントロプス2.0 | AM1422kHz ラジオ日本

豊崎さんといえば、TBSラジオ「ストリーム」で隔週担当のブックレビューを
よく聴いてました。発言内容もさることながら、そのルックスの男前さときたら!
今回、豊崎さんは直木賞と、芥川賞に至ってはダブル受賞まで予想的中させて、
さらに石原慎太郎氏の辞任騒動までズバリ的中させてました!パチパチパチ。
調子に乗ってご本人から「神と呼んで♪」発言まで飛びましてました。
さすが豊崎社長ォー。

当然、田中慎弥さんの話題にもなって、どんな話が出てくるのかなーと思ったら、、

豊崎「あと、もうおひと方の田中さんなんですけどー」
植竹「ハイ、今話題の!(笑)」
豊崎「(西村)賢太と一緒で、記者会見によって人気が高まったじゃないですか」
大森「ものすごい勢いですよね。27日に発売される単行本はAmazonでさっき
   見たら3位とか4位とかね、そのぐらいの順位になっていて、ちょっと
   考えられないぐらいですね。
   会見の動画の再生回数も大変なことになっていて・・・」
豊崎「賢太はだってねぇ、5000万円の貯金ができたそうですから、田中さんもね
   がんばっていただきたい。
   だけど笑ったのが、翌日の新聞とかいろんなの見てると、私サンスポ取って
   るんですけど、いわゆる天声人語みたいな(コラムを)書いてる今村って
   おじさんがですね『小説というのは文章がとても大事なもののはずなのに、
   話す言葉ももうちょっと気をつかってみてはいかがか』みたいなことをね、、
   まじめかっ!みたいな感じの」
両氏「(笑)」
豊崎「でも、それ、多かったんですよ。新聞のおじさん記者達はみんな苦言を
   呈すんです」
大森「ニコ動では盛り上がってたけど、会見場は冷たい空気がつつまれていた
   的な記事を書いてる記者がけっこういて、ぜんぜんそうじゃない」
豊崎「そうじゃない、笑ってたし」
大森「会場では結構大受けで、確かに空気が二分されていて、拍手喝采して
   大笑いしてる人と、なんか難しい顔をしてる人とがいて、難しい顔を
   してる人が主に(苦言を呈する類の)記事を書いたのかな、と」
豊崎「さっきね、別室でアライユキコさんとしゃべってたんですけど、、
   賢太と慎弥が2人で記者会見のハードルを上げ過ぎ!(笑)」
大森「違うんですよ、もうどれで受賞するかよりも、会見で何を言うかの
   方がむしろ大変だという時代になってる・・・」
豊崎「だからあそこまでハードル上げられちゃったら、私が、例えばですよ、
   次の147回の受賞者だったらもう、その前から気鬱ですよ」
大森「まあスピーチライターに100万円ぐらい払って受賞会見の原稿書いて
   もらう、ていうのが一般化するかもしれないですね」
豊崎「あ、いいなーそれー!やりたいね♪だから大森さんは直木賞やって、
   私は芥川賞請け負うんで、ぜひ!」
両氏「(笑)」
豊崎「なんか顰蹙買えばいいんでしょ?とにかく。顰蹙を買うという方向で」
大森「愛されつつ、顰蹙を買わないとね。実際ね、動画の再生回数でいうと
   田中慎弥円城塔の10倍で、葉室麟円城塔の会見のさらに1/10、
   だから100倍の開きがあるんですね、その動画の再生回数というか、
   受賞会見のアピール度でいうと100倍違う訳ですから、その後の
   本の売れ行きに直結する影響力がある」
植竹「いやぁ、それ考えてああいうトークをしたんですかねぇ?」
大森「田中さんはぜんぜんそういうキャラじゃないんですよ」
豊崎「あれはガチですよ」
植竹「本来ですか!?へぇ〜」
大森「まぁ最初のシャーリー・マクレーンのネタだけは考えていたようです
   けどね、あとはもうね」
植竹「ああいう方なんですか!?」
大森「ああいう方っていうか。すごいちゃんと喋れるようになったな、と、
   僕は感心しました。昔のことを思えば」
豊崎「そうそう。あのぉ、昔なんでしたっけ、川端(康成文学)賞のときなんか
   すごいちんまーりした人だったんですよ。スゴくおとなしぃくて、
   “えっ、これがあの『図書準備室』を書いた変わり者!?”ていうぐらい
   のね、まじめそーな、ちんまーりした人だったんですよね。
   こんなにね、あか抜けて」
植竹「あか抜けて!(笑)」
大森「あか抜けたというかね、素晴らしいキャラにね」
豊崎「キャラクターとしてはあか抜けましたね」
大森「テレビでもね、すごい勢いで解剖しようとしてますからね」
豊崎「『ミヤネ屋』ですらやってましたからね!すっかり愛されてますね」
大森「でもたぶん生出演とかは難しそうなので、、出演オフォーもずいぶん
   いってると思いますけどね。これでワタナベエンターテインメント
   入ったら笑いますね」
植竹「アッハッハッハ!(大爆笑)」


あらー、ずいぶん“ちんまーり”した方だったんですね。
ちんまーりってなんだ、ちんまーりって。

ちなみに最後のは、同じく記者会見で人気が出た例で名前が挙がっていた
西村賢太さんのことがかかってます。
西村賢太さんは『苦役列車』で昨年、第144回芥川賞を受賞しましたが
その会見で受賞の決まった瞬間は誰とどんな風に、との質問に
「自宅で。でまぁ、そろそろ風俗行こうかなと思ってましたけども、
 行かなくてよかったです♪」
というコメントがウケて、その後ワタナベエンターテインメントに所属し
タレント活動もこなしておられるという、なんとまぁスバラシな方でしょう♪


ちなみに、先の「ラジカントロプス」結果編での後半には、芥川賞受賞者の
円城塔さんもゲストで出演されてました。
理知的な話し方で、とってーも腰の低い方でした。