5度目にして受賞の芥川賞、って。

先日の発表記者会見がちょっとした話題となった、芥川賞直木賞
どうして話題になったかといえば、『共喰い』が芥川賞受賞となった田中慎弥さんが
ちょっとふてくされた(ふてぶてしい?)コメントをしていたからですが、
どんな発言だったかというと、


  えーと…
  確かシャーリー・マクレーンだったと思いますが、何度もアカデミー賞の候補になって
  最後にもらったときに「私がもらって当然だと思う」って言ってたそうですが
  まぁだいたいそういう感じです。
  あの…
  4回も落っことされた後ですから、ここらで断ってやるのが礼儀といえば礼儀ですが
  私は礼儀を知らないので。
  もし断ったって聞いて、気の小さい選考委員が倒れたりなんかしたら都政が混乱
  しますんで、都知事閣下と東京都民各位のために、もらっといてやる、…です。
  あの、とっとと終わりましょう。


こんな感じ。
文字を追えば横柄きわまりなく見えますけど、実際に発言しているところを見ると
この人、気が小っちゃくて生真面目なんだろうなぁ、って微笑ましくなりますね♪
しかも会見前にワイン2杯飲んだ、って。
あーもうなんかね、かわいらしすぎてむしろ、痛々しくすら見えちゃうほどです。

で、ふと思ったんですけど。
芥川賞って新人賞なんじゃなかったっけ? 4回落っことされたってどういうこと?

Wikipediaを見てみました。
芥川賞とは。

芥川龍之介賞(あくたがわりゅうのすけしょう)、通称芥川賞は、純文学の新人に与えられる文学賞である。文藝春秋社内の日本文学振興会によって選考が行われ、賞が授与される。
大正時代を代表する小説家の一人・芥川龍之介の業績を記念して、友人であった菊池寛が1935年に直木三十五賞直木賞)ともに創設し以降年2回発表される。第二次世界大戦中の1945年から一時中断したが1949年に復活した。新人作家による発表済みの短編・中編作品が対象となり、選考委員の合議によって受賞作が決定される。受賞者には正賞として懐中時計、副賞として100万円(2011年現在)が授与され受賞作は『文藝春秋』に掲載される。 (Wikipedia

で、「新人」の基準について。

芥川賞は対象となる作家を「無名あるいは新人作家」としており、特に初期には「その作家が新人と言えるかどうか」が選考委員の間でしばしば議論となった。戦中から戦後にかけて芥川賞が4年間中断していた時期に野間宏中村真一郎椎名麟三梅崎春生武田泰淳三島由紀夫ら「戦後派」と呼ばれる作家たちが登場して注目を浴びたが1949年の芥川賞復活後、彼らは新人ではないと見なされて候補に挙がることもなかった。また島木健作田宮虎彦、後述する井上光晴のように候補に挙がっても「無名とはいえない」という理由で選考からはずされることもしばしば起こった。他方、第5回(1937年上半期)に受賞した尾崎一雄は受賞時すでに新人とは言えないキャリアを持っていたが、「一般的には埋もれている」(瀧井孝作)と見なされて受賞に至っている。第38回(1957年下半期)に開高健と競って僅差で落選した大江健三郎はその後の半年間にも次々と話題作を発表し、続く第39回(1958年上半期)でも候補となったが作品のレベルでは群を抜いていたにも関わらず新人といえるかどうかが議論の的となった。大江の受賞が決定した時には、選考委員の佐藤春夫は「芥川賞は今日以後新人の登竜門ではなく、新進の地位を安定させる底荷のような賞と合点した」と皮肉を述べている。
現在ではデビューして数年経ち、他の文学賞を複数受賞しているような作家が芥川賞を受賞することも珍しくなくなっている。近年ではデビューして10年たち伊藤整文学賞毎日出版文化賞と権威ある賞を受けていた阿部和重が作家的地位も確立していた2004年下半期に芥川賞を受賞し「複雑な心境。新人に与えられる賞なので、手放しで喜んでいられない」とコメントした。 (Wikipedia

うーむ。
「新人」って、何?(%)ゞ?

野球のイチロー選手が、さらにその前には野茂英雄投手がメジャーリーグで新人賞を与えられた際、
実績のある彼らを「新人」として扱ってよいのか、なんて議論がありましたけど。懐かしいですね。
文学界でいうところの「新人」はそれよりもっとグレーゾーンが広いというか、なんというか。
そのうち「2回目の芥川賞を受賞!」なんてことがあるかもよ?(爆


それにしても気の毒なのは、『道化師の蝶』で同じく芥川賞を受賞された円城塔さんです。
田中慎弥さんと同い年なのに、結果的に注目度がこんなに違ってしまって…。
かわいそ。
(´・ω・`)