『ダークナイト ライジング』を観た。

やっぱり前作が前作だったから、観る前から勝手にハードル上げちゃって
本来なら及第点でも物足りなく感じたりするのかなぁなんて、勝手な期待と予防線を
張りつつ観てきました。

いや、素晴らしかった。
前作『ダークナイト』が観終わって言いようのない絶望感を味わせてくれたのに対し、
今作『ダークナイト ライジング』は爽快感と満足感を与えてくれました。
公開2作目の『スターウォーズ 帝国の逆襲』と公開3作目『同 ジェダイの復讐
(現・ジェダイの帰還)』の鑑賞後感とそれぞれちょっと似てる気がします。
ベントの呼吸マスクも、ダース・ヴェイダーのアレと似てなくもないし。
・・・それにしても後から『ジェダイの“帰還”』って言われても、ピンと来ないよねぇ。

前作は狡猾で最狂なのに自分より力的に、というより体力的に弱いジョーカーに対して
手をこまねいている感があり、それを巧くジョーカーが利用していました。
そこが観終わってなおすっきりしない要因の1つになっていたかも。
「奴には勝たせない」ってバットマンは言っていたけれど、ジョーカーは結局
負けてないんだよなぁって思いがどうしても残ってしまう。
無常感といえばいいのか。これが傑作と評される所以でもあるんでしょう。
それに対して。
今作は、体力的にベントに歯が立たず、完膚なきまでに叩きのめされて、これ以上
どうすればいいんだ!?という圧倒的な絶望感に支配されます。
最終的な決着が、どんでん返しが絡んできたことでいまいちあっさりしすぎている
ようにも思えましたけど、いえば正しいクリアの仕方で、スッキリ!できました。
ヒース・レジャーがあまりにはまり役でしたから、ベント役のトム・ハーディ
やりにくい部分もあったんじゃないかと思ったりしてましたけど、タイプが違うし
良かったと思いましたよ。
ただ・・・やっぱり最後がね、泣かせちゃうと心優しいマイク・ベルナルド
思い出しちゃって、そのへんもあっけない感じになった一因かな、と。
でもまあ最後の終わらせ方も、納得いく結末だったんじゃないでしょうか。
ふと、最終回特集かなんかで流れてた「鉄腕アトム」の最終回を思い出したり。
どうも「自動操縦」にこだわってるなぁと思っていたら、そう来たか!

セリーナ・カイル、“キャットウーマン”のアン・ハサウェイもカッコよかった。
目立ったお色気シーンはなかったけど、盗賊でセクシーなコスチュームを身にまとって
敵も味方も翻弄するあたり、海外実写版・峰不二子といっていいぐらい。
ファッション(?)でやってる、女の子の“ネコ耳”にはなんの興味もないんですけど、
ゴーグルを上げたキャットウーマンのネコ耳に見えるシルエットといい、
バットマンのシルエットといい、どうしてあれにヒーロー感を覚えるのかなぁと
不思議に思ってよくよく考えたら、、
わかりました。幼年期の刷り込みが原因でした。
小さい頃、プロレスラーのタイガーマスクを見て、あのピョコンとしたマスクの耳と
ともに熱狂していたのが刷り込まれてたんですね。。
だから同じマスクマン(?)でもスパイダーマンには感じない訳だ、とひとりで
勝手に納得した次第でした。
そのくらい、初代タイガーマスクインパクトありましたもんね。。
以上、まったくの個人的感想で。

若き警官、のちに刑事のジョン・ブレイク役、ジョセフ・ゴードン=レヴィット
良かったですね。
『リバー・ランズ・スルー・イット』でブラッド・ピットと共演した子役が、
こんな立派にゴッサムシティを守ろうと勇敢に立ち向かう青年になっていたとは!
て、自分がどういう立ち位置なのかよくわかりませんが。
そんなジョセフが尊敬する役者、ゲイリー・オールドマンはじめ、マイケル・ケイン
モーガン・フリーマンといった面々はもう画面の中に居てくれるだけで安心できるし。
ド派手なアクションシーンが目を引きますが、やっぱりストーリー、善と悪と
そして情に、葛藤し決断し突き動かされるところも見所のひとつ。

今回は特に「ザ・バット」なる飛行機(ネーミング、安易すぎ)のおかげで動きが
垂直方向にも広がって、ますます迫力が増してました。
空飛ぶビークル「ザ・バット」にかなり助けられた部分もあった気がします。
ストーリー的にも、画的にも。
いやいや、良いCGでした。・・・と思ったら、CGじゃないんですって!?

w(°Д° )w
これはやっぱり、大画面で観なきゃ!