『西原理恵子の人生画力対決4』を読んだ。

西原理恵子さん、サイバラを知ったのは、知ったというかこっちにしてみたら
のどかな日曜午後のドライブで突然、出会い頭に大型ダンプに踏みつぶされた
みたいなもので、とにかくいい迷惑、衝撃でした。
清水義範さんのエッセイ『おもしろくても理科』を読んでたんです。
当時の清水さんは『蕎麦ときしめん』『国語入試問題必勝法』『永遠のジャック
&ベティ』あたりで“パスティーシュ”という言葉とともに注目されていて、友達に
勧められて読んだら面白くって。読みあさっていたら次に『おもしろくても理科』
てのが出るらしいよ、ていうので。
おもしろくても理科 (講談社文庫)
清水センセが出来の悪い子ども、のような読者と挿絵を描いてる人にむけて、
わかりやすく理科を教えてくれる“てい”で書かれているんですが、そのさしえが
清水センセの説明にいちいちイチャモンつけてる。共同作業なのかと思ったら
完全に、敵。
さしえって、できあがった文を読んでそれにあった内容の絵をそえる、という
順番になる訳で、言ってしまえば「後出しじゃんけん」。
負ける訳がない。
清水センセが王水(濃塩酸と濃硝酸が混合比3:1でできたアレ)について
こいつはなんでも溶かすんだぜ、最強だとあれこれ説明してくれてたら、
その横のさしえがひと言。

「この世でいちばんえらいのは 女王様のおみず」

このさしえが、サイバラだった。

今にして思えば、その頃からエライ人に対して喰ってかかってたんだなぁ。
そんなサイバラが、世の高名な漫画家さん相手にケンカを売って回る、
しかも相手も一緒にドロ沼に引きずり込む戦法で、往年の米長邦夫さんを
彷彿させる、人生を賭けた公開泥仕合、それが『人生画力対決』です。
今回で4巻目。

毎回ドロ沼に引きずり込まれた対戦相手が、ふだんじゃ想像できないような
失態 醜態 隠れた魅力をさらけ出すのがポイントなんですが、、
(例えば前回でいえば板垣恵介さんの「トトロ」とか)

でも今回はなんといっても、サイバラ本人です。
リラックマを生み出したイラストレーターのコンドウアキさんとの対決で、
同じく美大出身で絵を描いて生計を立てている身でありながら、どうして
こんなに境遇が違いすぎるのっ!と例のごとくやっかみ全開、心配して
当日やって来たリラックマの社長さんから「当社のキャラは本当に本当に
イメージが大切、どうかお手やわらかに」と言われた、次のコマ。

「てめえんちのクマなんか◯◯◯だっ」

ひどい。ひどすぎる。
ひどすぎて、声出して笑っちゃったけど。
あんまりひどいので、伏せ字にしときます。
実際に本を手に取って43ページを、その前ページにある『テルマエ・ロマエ
ヤマザキマリさん描く「黒柳テツコ」とともに、確認しよう!
(※ちなみに目次にはあるものの、ページ番号は印刷されてません、ご注意)

それと、地味ぃーに描いてある、47ページも併せて、要チェック。

西原理恵子の人生画力対決 4 (コミックス単行本)

西原理恵子の人生画力対決 4 (コミックス単行本)