3.11の日に。

昨年3月11日、東北大震災で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。



前日の3月10日、TOKYO FM桑田佳祐やさしい夜遊び」は「震災、あれから1年」という
お題でDate fmエフエム仙台)からの放送でした。特別ゲストとして、原由子さんもご一緒で。

桑田さんが、ビートたけしさんの言葉が紹介してました。

 「この震災は、2万人が亡くなったひとつの大きな震災というのではなく
  ひとりの尊い命が亡くなった事故が2万件同時に起きたということ」

桑田さんも「重たい、説得力のある言葉」と語っていましたけど、個々にとっては
たったひとつの大切な人の命が失われた、ということであって、被害者の総数を尺度に
語るべきものではないということでしょう。


中盤、リスナーから、漫才コンビサンドウィッチマン・伊達さんのブログで桑田さんの
宮城ライブDVDを週3回観ていると書かれていたとのメールがありました。

このDVD、超いいんです!桑田さんが宮城県や東北に対してスゴく気を使いながら、でも普段の桑田テイストで…とにかく超満員のお客さんは大盛り上がり!たまに涙も。。
僕はこのDVDを買ってからしばらく経ちますが、今でも週に3回は見ちゃう。
とにかく、お客さんが桑田さんに対して涙ながらに感謝してるんです。
で、桑田佳祐さん自身も、ガンを克服して初めての大きな会場でのライブなんです。
是非、とにかくスゲー良いので御覧下さい☆
「サンドウィッチマン伊達のもういいゼ!」

このブログを読むと、ライブを開催した場所が慰安安置所として使われていた
宮城県総合運動公園総合体育館「グランディ・21 セキスイハイムスーパーアリーナ
であり、音楽の聖地としての再開に際し、被災地を盛り上げるのに一役買うと
桑田さんが名乗り出たことが記されていました。
桑田さんは今回、ライブを開催したその場所に、復興の願いを込めて3本の
ソメイヨシノを植樹したとのこと。


そして終盤。ジャーナリストの上杉隆さんがご自身のラジオで、3.11以降の自粛ムードの中、
この曲をかけられるんじゃないか、むしろかけるべきなんじゃないかと思ったとして
サザンオールスターズTsunami」を流したという話がリスナーのメールで紹介されました。
それを受けて。

「『Tsunami』のメールね、ホントにあの、上杉さんにはもうお礼を言いたいですけどね。
 とにかくあの・・・私もいろいろ葛藤もありました、震災直後、
 でまぁあの、空気を読むわけじゃないんですけども、まぁいろんなね、被害だとか、
 被災された方とか、遺族の方達から、その中にもファンの方達もたくさんいらっしゃって、
 お手紙なんか見ているとね、やっぱりこの歌を歌う、…なんだろ、んー
 なんかモチベーションになかなかね、つながらなかったというのがあってね。
 えー、だからそういう意欲につながらなかったんで、ただ上杉隆さんがほんと、
 歌詞の内容まで含めてね、今だからこそ、と言ってくれたことにはホント感謝するんですけど、
 できたらこの曲をね、また多くの人が、こうなんていうんですか、悲しみの記憶薄れてね、
 心の傷が癒えてですね、でそのぜひ『Tsunami』をサザンで歌ってくれと、
 そういうムードというか空気というかな、がしてきたら本当の意味での復興、振興のね、
 象徴になるような思いでね、歌える日が来たらいいなと思ってるんですけど」

Tsunami」を普通に聞くことができる、歌うことができる、そんな日が来たら
それは見た目だけでなく心の部分でも復興したんだ、振興したんだという証になる、
そういう象徴となる日が来ることを願っている、という桑田さんの思いだったと思います。
Tsunami」という言葉の響きだけでどれだけ辛く苦しい思いをさせるのか、それは
言葉をメロディーに乗せて聞く人の心に届けることを生業として長年続けてきた人が
もっともよくご存知でしょう。
歌詞は“涙もろい過去”を、“深い闇から夜明けが来る”ように乗り越える
“本当は見た目以上 打たれ強い僕がいる”んだ、という内容で、いわば
恋愛においての「復興」「振興」といっても言いすぎじゃない。


被災地で被災された方々が「Tsunami」という言葉をはねのけるぐらいに、
精神的に復興する日が来るといいな。
そう切に願っております。